ラボオートメーションとは

Lab Automation
オートメーションとは


ラボオートメーションの概要

ラボオートメーションとは、実験・研究プロセスの一部または全体をロボットとソフトウェアを活用して自動化する技術のことを指します。近年、ライフサイエンス、製薬、化学、食品などの様々な分野で導入が進んでおり、研究の効率化や精度向上に貢献しています。

3軸直行ロボットや6軸ロボットを利用したサンプルや機器のハンドリングを主な技術として、画像解析ソフトウェア、サンプル管理システムと連携することで、実験操作だけでなく、実験データの管理までも自動化することができます。

ラボオートメーションのメリット

研究員のクリエイティブな時間の捻出

研究プロセスは①実験構想②実験③データの分析の3つの工程に分けることができます。

本来、頭と時間を使って行うべき工程は①実験構想③データの分析ですが、②実験に多くの時間を割かれているのが現実かと思います。

ラボオートメーションで②実験を自動化することにより、クリエイティブな発想にかける時間を捻出するとともに、データを深く分析することで新しい知見の獲得の手助けとなります。

実験パラメータを細かく調整可能

人間が実験に費やせる時間はごくわずかです。休憩時間を除く約7時間の内、実験構想とデータ分析、さらには事務処理や会議の合間を縫って実験時間を捻出する必要がありました。

一方、ロボットであれば24時間稼働することができるため、人手では困難だった大量の実験パターンを試すことが可能になります。

十分なN数を稼きながら様々なパラメータを細かく振ることができるようになり、より正確に現象を理解する手助けとなります。

実験精度・再現性の向上

人手による実験には、ヒューマンエラーやケアレスミスがつきものです。手作業に伴う実験誤差が大きくなったり、場合によっては使用できない実験データが得られることもあります。

ロボットを使用することで、時間間隔、角度、速度、圧力、あらゆる条件が一貫した高精度な実験データを再現性よく量産することができるようになります。

実験データの一元管理

ラボオートメーション装置は、現状お使いの様々な機器と接続・連携して動作させることできます。

これにより、サンプル情報の記録だけでなく、機器から出力される測定データや実験条件を同時に保存・管理することができます。

あらかじめデータの保存形式を指定することで、過去の実験データの参照や、データの分析が容易になることもメリットとして挙げられます。

ラボオートメーションのデメリット

初期導入コストが高い

オートメーション装置の大きさや実験操作の複雑さにもよりますが、初期導入コストが高く提示されてしまい、導入の大きなハードルとなることも多くあります。

コストの増加要因は、装置の構想設計費用ロボットの本体価格などが挙げられます。

ラボートでは、これらのハードルを下げるための工夫を行っています。

まず、装置の構想設計費用は、現役の研究員とオートメーションエンジニアが自動化のヒアリングに同席することで、研究員視点の要望を装置設計にダイレクトに反映します。

従来のオートメーション企業では、基本的にはエンジニアが全てを作り上げることになります。したがって、研究実験における基礎知識が不足しており、基本的な器具でもその使い方の学習から始めるなど、構想設計に膨大な時間がかかることが多いです。

また、その結果、研究員の要望が適切に反映されていないオートメーション機器が提案され、構想設計のやり直しになり、さらに費用と時間がかさむ、という悪循環までもが起こり得ます。

次に、ロボットの本体価格ですが、大手メーカーの6軸ロボットは450万円程度であり、1台購入するだけでも非常に高価格になってしまうことがお分かりいただけるかと思います。

ラボートでは、可能な限り3軸直行ロボットの採用も考慮してコストを下げたご提案を行う方針を立てています。

3軸直行ロボットは1台130万円程度であり、6軸ロボットと比べて動作スピードの速さや、強度の高さなどメリットも多くあります。

機器の汎用性・柔軟性が低い

ラボオートメーションは特定のプロトコルに最適化されたシステムであるため、実験手順の変更、新しい実験手法の導入には即座に対応できない課題がありました。

ラボートでは、この課題に対応するため、全てのオートメーション装置をミニマル化する方針を立てています。

様々な分析機器に接続して連動し、様々な作業を一貫で自動化する装置は非常に魅力的です。

しかしながら、一部の測定が不要になった場合、そのスペースは丸々デッドスペースとなります。

また、広いスペースを1台のロボットが奔走する間には必ず待機時間が発生し、作業効率の低下へと繋がります。

ミニマルなオートメーション装置を組み合わせることで、結果的に低コストかつ高効率のオートメーション装置が完成する、という考え方です。

これにより、簡単な組み換えと再配置だけで、実験内容の変更に柔軟に対応することができると考えています。

まとめ

ラボオートメーションは、研究の効率化・精度向上を実現する技術として、ライフサイエンスや食品業界をはじめとする幅広い分野で活用されています。

実験の自動化により、研究員のクリエイティブな時間を確保し、実験パラメータの細かな調整や高精度なデータ管理を可能できる一方、高額な初期導入コストや柔軟性の低さが課題として挙げられます。

ラボートでは、研究員視点オートメーションエンジニア視点の両方を取り入れることで、費用対効果の高いラボオートメーション装置をご提案します。

  • 研究者視点: 実験プロセスを深く理解し、実際の研究現場に適した自動化を設計
  • エンジニア視点: 既存の技術を活用し、必要最小限のコストで最大の効果を得るシステムを開発

特に、弊社ではカスタマイズ可能なシステムを提供し、必要最小限の設備投資で導入が可能なソリューションを提案します。これにより、高額な機器の導入を抑えつつ、効率的な自動化を実現することが可能です。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせページよりご相談ください。

最適なオートメーション装置の実現には、詳細なヒアリングが不可欠です。
自動化を希望する実験作業を具体的にお聞かせください。

作業内容、予算、環境に合わせた装置をご提案します。